王様達のヴァイキングの監修について

最近監修しているマンガ、王様達のヴァイキングについて。

なぜこんな仕事を?

簡単に言うと、深見先生に頼まれたから、です。

もともと、競技プログラミングのマンガを描こうという話が2005年ぐらいからありました。しかし、詳細を詰めるのが難しく、一度ネームもできたものの掲載には至りませんでした(注: 私が描いたのではありません)。このときの色々な縁で深見先生とは親しくなりました(注: 競技プログラミングマンガと深見先生は直接は関係ありません)。深見先生に王様達のヴァイキングの話がきたときに、せっかくだから我々とやりたいということで話が回ってきたものです。

ただ、話が回ってきたときには6話ぐらいは話が固まっていて、また、もともとの監修は sotarok と ozarn だけに回っていました。今がそうでないとは言いませんが、最初の頃はもっと起業ものっぽい雰囲気を醸し出していたでしょう?

深見先生が協力として入ることになった後に、旧知の仲である我々にも回ってきました。そのときはちょっと画像を提供するぐらいの話でしたし、そのつもりでいました。また、もっと監修は人がいました。具体的には、YUHAのメンバーと、Gokuriのメンバー、などです。だから、そんなに負担にならないと考えました。ただ、徐々に監修は人を減らしていきました。これはそこまで仕事がなくなったというのが大きいのと、あまり多人数いても意見だけが出てまとまらないためです。人が減ったとはいえ、あまり負担は変わっていません。マンガを読んで育ってきたので、一作関われるというのも良い機会だな、と思って楽しんで協力しています。

何をやっているのか?

技術的詳細を考えることです。

基本的に、話はさだやす先生が作ります。それを受けて、事件などを深見先生が作ります。しかし、そこには技術的な詳細は書かれていません。そこで、例えば「ハッキングをする」と書かれてある部分の技術的な詳細を考え、仮のセリフをいくつか挟む形にまで落とし、その詳細を平易な日本語でさだやす先生、深見先生、および担当の山内さんに説明します。なるべく、話も読者に分かりやすい展開になるように僕は心がけています。テクニカルには別の手段を使ったほうが良い技術でも、今後の展開および、マンガとしての要請のために別の技術を敢えて用いることもあります。これは詳しい人からはツッコまれますが、それは覚悟の上です。また、マンガの上では詳細はかけません。かいても難しすぎるだけだからです。

ハッキングの技術的難易度を調整するのは難しいのですが、私が見ている分に関しては、最低でも「理論的にはできる」話にしてあります。ほとんどの場合、それを実際にやったことがある人を聞いたことがあるものを採用しています。Windows のバイナリパッチを作った話なんかは、実際にそういう人がいるという話を聞いたので、じゃあいいだろうということで通してあります。また、過去に似たようなハッキング事例があれば、それを参考に技術的詳細を詰めたりします。大体5割ぐらいの技術的詳細は僕が決めていると思いますが、週に数時間程度の時間でだいたいなんとかなっています。

2014-08-14